十年の時を経てブクログ大賞の記念品を受け取る

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ちょうど10年前の2013年に、『アプリケーションをつくる英語』で第4回ブクログ大賞(電子書籍部門)をいただいた。

もともと同書の原稿は紙書籍での出版を目指し、複数の出版社に持ち込んだ。しかしなかなか出版には至らなかった。そこで電子書籍専門の達人出版会から出してもらったところ、ちょっとした話題となり、結果として紙版も出版されることとなった。この経緯がITmediaで記事になったこともあって、幸運にも電子書籍部門の大賞をいただいたのである。まさか専門書で賞がもらえるとは夢にも思わず、私には受賞の事実だけで十分であった。


先々週、達人出版会の代表である高橋さんからメールをいただいた。事務所の荷物を整理していたら、なんとブクログ大賞の記念品が出てきたというのである。ブクログ社からは受け取っていたものの、私に発送しそびれていたので、これから送りたいとのことだった。

存在するとも思っていなかった記念品があると知り、感慨無量だった。高橋さんからは謝罪をいただいたが、むしろ感謝したい気持ちだった。もう10年も経っているので廃棄することもできたろうが、わざわざ連絡してくれたのだ。


こうして先週、記念品が届いた。

きちんとブクログのマークが入ったリボンがかかっている。

リボンを外し、包装紙を開けていく。

箱の外側に貼られたシールを見ると、受賞作品名と受賞者名が印刷されている。

ち、違う……。自分の名前ではない。

確かに有川さんも第4回ブクログ大賞を受賞されていた。しかし小説部門だったはずだ。まさか、10年の時を経てもらった記念品は、実は他人のものだったという衝撃の展開なのか!?

とにもかくにも、開けてみよう。


箱の蓋をそろそろと持ち上げ、プチプチ(緩衝材)をゆっくりとめくり取る。

木製のずっしりとした盾が出てきた。

作品名は『アプリケーションをつくる英語』、そして著者名は「西野竜太郎」と彫られている。自分のだ! どうやらシールの名前だけ違ったようだ。


せっかくなので、盾を掲げたところを妻に撮影してもらった。満面の作り笑顔である。


ちなみに、有川さんの受賞盾は2021年に高知県立文学館に寄贈されたとのことだ。第4回の盾も含まれている。一方で、同時に作られた、いわば兄弟の盾は、本記事のような次第でついに今年、受賞者の元に到着したのだった。


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